デジタル化のことなど

このHP作成に当たり行わなければならなかった事と言えばデジタル化です。
win98が出た頃スキャナーを買い、プリントのスキャンを開始しました。
恐ろしいほどの時間を掛けてスキャンした割にはどうも今ひとつ。
結局フィルムスキャナーが必要だと言う事で、しばらくデジタル化は休止します。
やがて念願のフィルムスキャナー機能の付いたCANONのプリンターを購入してデジタル化作業が再開します。

プリント補正の大変さと難しさを知る世代にとっては、デジタルデータ化された写真の補正や修正の簡便さには
驚かされると共に時代の流れを感じたものです。
しかしデジタルデータ化を進めていくと色々なことに気が付きました。
当然デジタル化に際しては、過去のフィルムを順番にスキャンしていくのですが
有るはずのフィルムがない!と言う事が判明しました。

大学卒業以来転勤などで各地を転々とする中、いつの間にか消えているフィルムがありました。
中にはネガケースの中で一本だけ無いとか言う物もあり、プリントの際などに別のケースに入れたりしたか
そんな理由なのだろうとは思うのですが、欠番が有るフィルムが結構沢山見つかりました。
また、フィルムが予想以上に劣化が進んでおり、極めて悪い状態の物も多数見つかりました。
基本的に劣化の無いデジタルデータ化の必要性を強く感じさせる出来事でした。

もうひとつ困ったのは撮影データが不十分だと言う事です。
ネガケースに撮影年月日、路線名などは書き込んでいるのですが、詳細なデータが無く
自分で撮影した物なのに、何処で撮ったものなのかが分からないと言う物もいくつもありました。
当時はそれほど記録して置かずとも、記憶が鮮明でしたので何不自由無かった為でしょうが
年月を経ると、記憶も曖昧となり、どうしても分からないと言う物も出てきます。

特に移動途中でヒトコマだけ撮影しているものなどは、はっきりした場所が特定できずに困りました。
そうした時に役立ったのが地図データでした。
写真から読みとれる事柄を手がかりに、路線データから該当しそうな所を見つけます。
国土地理院の航空写真データも役立ちました。
当時もしくはそれに近い年代の航空写真から地理や線路配置、建物などで何とか特定できたものもありました。
こうしたデータも全てデジタル化のお陰で簡単に利用できるようになった訳ですから有り難いものです。

フィルムのデジタル化により、フィルムの劣化による損失のリスクは回避できました。
しかしまだまだデジタル化作業は残っています。
次は音です。
撮影が不可能となる夜間などに良くテープ録音していましたので、そう言う音も残されています。
これらもデジタル化しないと当然磁気テープですから劣化が進行していきます。
この音テープがフィルム以上に厄介なのは、色々なところに点在して録音されているからです。
色々なカセットテープは数千本と言う膨大な数保有しており、何もメモされていないものも多く有り
これらをひとつひとつ聞きながら捜さねばならず、考えただけで気が遠くなりそうです。

さらにもうひとつ。
8ミリフィルムが有ります。
全部で15分程度ですが、各地で撮影したフィルムがあるのでこれもデジタル化しないと大変です。
8ミリフィルムは上映の度に破損などのリスクを伴いますので必ずデジタル化しなければなりません。
ただこれは自分ではどうしようもないので業者に依頼するしかなく、その点では楽だとも言えます。

全てがアナログだった時代、またその良さを知っている世代ですが、
こと保存に関してはやはりデジタルには敵いません。
このHPをご覧になっている方で、フィルムなどをデジタル化していない方は
早急に取り組まれた方が良いと思います。
日々、記憶と記録の劣化は進み、視力、体力、気力は低下し、残された時間は確実に減っていきます。
それに反比例するかの如く、やるべき作業と必要とされる時間は増えていくものです。
デジタル化が先か、自分にお迎えが来るのが先か(^^)そんな時間との競争でも有ります。

                                                         (2012.03)


           
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