久大本線日田駅のことなど

久大本線は私が初めて蒸気機関車にふれたなじみ深い路線です。
幼児だった頃からよく居なくなっていた私を見つけるために、両親は先ず駅へ行ったそうです。
ほとんどの場合、私は駅にいて汽車を眺めていたのだそうです。
なにやら将来を予感させるエピソードです。
両親の予測通り、年令を重ねていっても蒸気機関車好きは収まらず現在に至っています。

さて、日田駅は久大本線の中間駅であると共に日田彦山線の始発駅でもあります。
その為、両方の路線の蒸気機関車たちを見ることの出来る絶好の場所でもありました。
中学の頃の臨海学校や修学旅行の列車は蒸気機関車が牽いたことを記憶しています。
特に臨海学校の時は、日田から大分までをD60が牽き、大分からはC57が牽くという、
私にとっては夢のような列車でした。

当時、田舎の中学生で世情に疎かった私は、蒸気機関車がなくなることなど全く知らず、
友人の一言で、その事実を知り、大いにあわてたものでした。
言われてみて気づいたのは、いつの間にか旅客列車がDLやDCになっていたことでした。
とは言え、まだ1日1往復の貨物は健在でしたので、小遣いの許す限り駅へ通いました。

当時はいわゆるSLブームが到来する直前でしたので、
駅構内も出入り自由で駅員さんたちも、みんなとても優しく色々と便宜を図ってもらいました。
構内入れ替え作業のD60のキャブへ同乗させてもらったりもしました。
ほんの僅かの写真しか残せませんでしたが、
久大本線は私にとって忘れられない出発点となりました。
(2001.01)        




          
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